Tatehitoの技術メモ

ソフトウェアエンジニアです。いろいろ書きます。

感想『まんがでわかる理科系の作文技術』

本の概要

「まんがでわかる理科系の作文技術」の発売日は2018年1月25日。1981年に出版され、100万部のロングセラーになっている「理科系の作文技術」の漫画版として発売されました。

本書は全部で6章で、それぞれの章が漫画パートと解説パートに分かれている構成になっています。173ページありますが、漫画なだけあって1,2時間で読み終わりました。

一つの主題に集中する

別の主題が混入すると、読む相手に与える印象が散漫になり、文書の説得力が低下します。 #「まんがでわかる理科系の作文技術」CHAPTER01 より

理科系の文書においては「一文書一主題」を守るべきだと書かれています。読者は「この文書の主題は何か?」というのを無意識に想像しながら読んでいます。別の主題が混入すると、読者は混乱してしまいます。さらに、求めている情報が得られない文書だと判断され、読むことを辞められてしまうこともあります。

ブログ記事においても、主題がブレないように記述することが大事だと思います。

思いついたことをあれもこれも書いてしまうと、結局何が言いたいのかわからなくなってしまうことがあるんですよね。主題がブレないように、書き始める前に主題を書き出しておき、主題からズレたことを書いていないか確認するようにしましょう。書いた文章を読み返して主題が一貫していることを確認するのも効果的です。

読まれるためには「内容の重心」を前にする

世の中が忙しくなるにつれて、いまは論文の重心は前のほうに移ってきました。 #「まんがでわかる理科系の作文技術」CHAPTER02 より

理科系の文書では、結論やまとめを冒頭で書く「重点先行主義」が基本であるとしています。読者は冒頭のまとめに目を通すことで、読みたい文書を判断することができます。多忙な現代では、最後まで読み進めないと結論が見えないような文書は嫌われる傾向にあります。

「重点先行主義」で書かれている文書の例として、新聞の記事を挙げています。記事の見出しの直後に、要点をまとめた「リード文」がありますよね。これを読むことで、新聞の読者はその記事を読み進めるかを判断することができるのです。

ブログにおいても、「重点先行主義」で書くべきだと思います。ブログ記事をパッと表示したとき、求めている情報が書かれているか判断できなければ、すぐにブラウザバックしてしまうからです。

「と思われる」ではなく、「と思う」と書く

仕事の文書を書くにあたっては、こういう曖昧な、責任回避的な表現は避けて、「自分は~と思う」「~と考える」と書くべき #「まんがでわかる理科系の作文技術」CHAPTER04 より

特に日本人は責任回避的な表現をしがち。ですが、理科系の文書を書くにあたっては責任回避的な表現を使ってはいけないと述べられています。

ブログにおいても自分の主張を述べることが必要だと思います。責任回避的な、言い切らない書き方をしているブログは自信がないように受け取られてしまい、魅力的な記事として映らないからです。

これは僕にも大変心当たりがあります。断言する書き方をするときは抵抗感を持ってしまっているのが現状です。日常会話においても責任回避的表現を使わないように気を付けます。

オリジナル版もオススメ!

  • 一つの主題に集中する
  • 読まれるためには「内容の重心」を前にする
  • 「と思われる」ではなく、「と思う」と書く

本書の内容の一部を紹介しました。本書を読み終えた後、オリジナル版の「理科系の作文技術」をKindleで読んでいます。

オリジナル版は出版されたのが30年以上前ですので、文章の言い回しが古く感じられます。ですが、「理科系の作文技術」をまさに体現した文章になっており非常に読みやすく、読むだけで参考になります。